本書の結論は、学校教育では教えてくれない「お金の知識」を学び、資産と負債の違いを理解し、お金に働いてもらう仕組みを作ることが経済的自由への道であるということ。
要約記事はたくさん出回っている為、今回は「金持ち父さん貧乏父さん」の中心的な教えに対して、ゆとりダディこと私が実際に読んで感じたこと、そして私たちの実生活にどのように活かせるのかという所感を交えながら解説していく。著書の概要に関して、私が理解した内容をサマリーしているので気になる方はぜひ活字で読むことをお勧めします。
前提:私のお金に対する知識
・投資素人。資産の内訳は管理し、把握している。
・5冊ほど投資や資産形成に関する本を読了(厚切りジェイソン氏の「お金の増やし方等」)
・新NISAを活用しインデックス投資を今年開始。また、資産の1/4程度を外貨預金へ。
・アクティブファンドや個別株には挑戦する予定は無し。
※リスクテイクするほどの度胸/知識も無ければ、学ぶ意欲も今のところ無し。
金持ち父さん貧乏父さん序章
著者のロバートには二人の父がおり、貧乏父さん(実の父)は高学歴で、公務員。金持ち父さん(親友マイクの父)はビジネスオーナーであり投資家。著者は、この二人の対照的な「お金に関する哲学」を比較しながら、なぜ金持ち父さんがより豊かになれたのかを学んでいく。
著者の核となる6つの教えと所感
この著書は2013年に出版され、舞台は1900年代後半のハワイとなっているので、我々のマネーリテラシーが上がってきている昨今では、少し認識に誤差が出てくるところもあることは理解しておくべし。
第1の教え:金持ちはお金のために働かない
▼著書の概要
貧乏父さんは、「給料(お金)」を得るために働く。彼らは会社の雇い主の為に働き、毎月給料日を待つ生活を続ける。これを「ラットレース」と呼ぶ。金持ち父さんは、「お金のために働く」のではなく、「お金を生み出す仕組み(ビジネスや資産)を作る」ために頭を使う。
▼ゆとりダディの所感
私自身も企業に属するサラリーマンで、この本で表現されているいわゆるラットレースに参加している一人。まさしく、経済的な自由を得るためには、自分不在でもお金がお金を作る投資や不動産といった資産を持つことが大事と共感。ラットレースに参加しつつも、副業等で自分の給料の底上げをし、経済的な自由に近づくことも選択肢の一つかと考える。ラットレースと表現はするが、日々の仕事の中での自己実現や得られるやりがいもあるため、心は貧乏では無いと言いたい。
第2の教え:お金の流れの読み方を学ぶ
▼著書の概要
裕福になるために最も重要なのは、学校の成績ではなく「ファイナンシャル・リテラシー(お金に関する読み書き能力)」。この教えの核心は、「資産」と「負債」の違いを正しく理解すること。
▼ゆとりダディの所感
持ち家に関して、感情(思い出や特別な思い入れ)が働くため、ローン支払いの観点からも「負債」とみなしている著者に同意。私自身、生活する環境や場所に縛られたくない為、そもそも賃貸派の人間なのだが、何かの事由で引っ越しと売却を余儀なくされた場合、持ち家自体の価値が上がっている可能性もあれば下がっている可能性もある。故に資産とは呼べないのではと考える。
第3の教え:自分のビジネスを持つ
▼著書の概要
金持ち父さんの教えは、「日中の仕事(職業)は続けながら、空いた時間で自分のビジネス(資産)を構築しなさい」というもの。給料(職業)で生活費を払い、余ったお金で資産を買い続けることが大切。
▼ゆとりダディの所感
資産は自分がその場にいなくても収入を生み出すし、運営に自分が入ると職業となる点にぐさり。例えば広告収入を得ることができるブログ自体が資産になるのでは?という風に読み進めながら考えていたが、一定の記事更新や運営をする必要があるので、資産では無く、それは仕事に該当してしまう。記事を書いてない間にも収益を生むことはできるが、確かに完全なる不労所得ではない。
第4の教え:会社を作って節税する
▼著書の概要
金持ち(特にビジネスオーナー)が使う最大の武器が「会社(法人)」。法人を使って合法的に税金をコントロールし、富を守ることを知っているため、税金と法律の知識がいかに重要かを説いている。
▼ゆとりダディの所感
投資観点では投資対象や市況は刻一刻と変わるため、市場理解力つまり需要と供給の見定めることのできる知識とそれを得る努力が必要。本業があり、更に家族もいる場合とてもじゃないがそこまでこなすことができないのでは、、というのが正直な感想。だからこその投資信託。もちろんリスクはあることは理解しているが、運用のプロがパッケージにしているため、安心感はある。著者からすればこの守りの考えをしていると経済的自由を手に入れることはできない。ゆとりダディはリトルチキンなのだ。
第5の教え:金持ちはお金を作り出す
▼著書の概要
金持ち父さんは「お金がないから投資できない」と考えるのではなく、「どうすればお金を生み出せるか」を考える。他の人が見逃すチャンスを見つけリターンを最大化する。
▼ゆとりダディの所感
これも市況を読む本当の意味での投資家を目指せば達成できることだと理解はする。しかし、資産を築く方法や新たな解決策の構築を学ぶにはとてもではないが時間が足りない。さりげなく著書でも触れられているが、著者のロバート氏はキャリアも豊富で目的意識をもって転職を繰り返している。大手企業の営業トップ5の常連でもあったことから、常人よりもそもそもの要領の良さやスペックはかなり高めの方。彼の教えをそのまま模倣するには難易度が高い。不況期にこそ資産を突っ込むべきというのはかなり共感できた。世界経済が崩壊しきることは無いと思うので、値下がりした時点で投資するのは賢い選択だと思う。
第6の教え:学ぶために働く
▼著書の概要
貧乏父さんは「給料が高く、安定した仕事」を求める一方、金持ち父さんは「何を学べるか」で仕事を選ぶ。特にお金持ちになるためには、給料が安くて「営業(セールス)」「マーケティング」「会計」「法律」「リーダーシップ」といったスキルを学ぶことが重要だと説く。
▼ゆとりダディの所感
著者は経済ゲームが楽しい、それをもっと知りたいという好奇心が原動力でありたい姿がはっきりしている。どうありたいかの理想の姿があり、それに向かって必要なスキルを逆算的に考えていく姿勢には感服。私も上司にキャリアをどう考えられると聞かれると、やりたいことや学びたい(面白そうなので)ことの希望は出せるのだが最終的にどういう人生を歩みたいかまでは描き切れていない。お金切り口で自分の人生をどう考えるかのきっかけになった。
終章:実践編(まず、何をすべきか)
▼著書の概要
最後のセクションでは、人々が金持ちになれない5つの障害(「損失への恐怖」「臆病風(批判を恐れる心)」「怠け心」「悪い習慣」「傲慢さ」)を挙げ、それらを克服するための具体的な10のステップを紹介して締めくくられる。
▼ゆとりダディの所感
恐怖へは失敗から学び対処の仕方を学ぶべき。投資や目の前の仕事における不安からくる騒音も折り合いをつける方法を身に着けるべき。ある程度リスクテイクすることの重要性も語られており、人生哲学にも通じる内容。忙しい人ほど怠けているというのもぐさり。目のまえのことに追われ人生を考えない、理想に向かうためには学び続けなければいけない。著者はセミナーや本を読み知識をインプットする努力を怠らない。じっとしていないで行動することの大切さも語られていた。
まとめ
本書の結論は、学校教育では教えてくれない「お金の知識」を学び、資産と負債の違いを理解し、お金に働いてもらう仕組みを作ることが経済的自由への道であることだった。後半に進めば進むほど、自分自身の資産のポートフォリオを考えなければいけないと痛感した。また、投資に対する姿勢が語られているが日常生活でも恐怖や臆病といった感情のセルフコントロールは身に着けていくべき。人生(=他者)に突っつかれない為にも、自分の中での理想像とそれを実現するためのプランニング、勉強はし続けなければいけない。投資のHow Toを学ぶというよりは、人生哲学を学ぶという観点で読むことをお勧めしたい。
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