カリフォルニアの国立公園といえば、ヨセミテ、デスバレー、セコイア等が有名ですが、実は「国定海岸」という特別な場所があるのをご存知でしょうか。サンフランシスコから北へ車で約1時間半、太平洋に突き出した霧深い半島に「ポイントレイズ国定公園」はあります。
ここは、アメリカに10ヶ所しかない国定海岸の中でカリフォルニア州唯一の場所です。
荒々しい海岸線、広大な草原、そして豊かな生態系が特徴で、ありきたりな観光地では味わえない、手付かずの自然と出会える魅力的なスポットです。
ポイントレイズ国定海岸の筆者が訪れた見どころを紹介
ポイントレイズを訪れたら絶対に見逃せないのが、「サイプレスの木のトンネル」と「インバネスの難破船」です。この二つの象徴的なスポットは、多くの写真家や旅行者を魅了し続けています。
まるでファンタジーの世界!神秘的な「サイプレス・ツリー・トンネル」
公園のメインストリートであるSir Francis Drake Blvdを灯台方面へ向かう途中、突如として現れるのが「サイプレス・ツリー・トンネル」です。1930年頃に植えられたモントレーサイプレスの木々が、道路を覆うようにアーチを形成し、幻想的な空間を作り出しています。
筆者は日中に一度しか訪れたことはありませんが、木漏れ日が差し込む時間帯や、霧が立ち込める早朝など、訪れる時間によって全く違う表情を見せてくれるようです。このトンネルは、もともと無線通信施設の入り口として作られたものらしく、その先には歴史的な建物が今も残っています。筆者の写真スキルが無いのできれいに撮影できていませんが、下記Google Mapのリンクでいくつかの素敵な写真を見ることができますよ。
参照:Cypress Tree Tunnel – Google Maps

時が止まったかのような光景「インバネスの難破船」
公園の入り口近く、インバネスという小さな町の砂浜に、一隻の漁船が静かに座礁しています。「ポイントレイズの難破船」として知られるこの船は、元々第二次世界大戦の終わり頃に作られ、漁船として活躍した後、個人に買い取られ修理を待つ間に嵐で座礁してしまったと言われています。
今ではその朽ち果てていく姿が、周囲の穏やかな風景と相まって、ノスタルジックで美しい光景を生み出し、人気の写真スポットとなっています。本当にひっそりとした場所でした。
参照:Point Reyes Shipwrecks – Google Maps

歴史を感じる「ポイントレイズ灯台」
ポイントレイズの魅力は、二大シンボルだけではありません。灯台へと続く海岸線のドライブでは、心に残るたくさんの風景に出会うことができます。半島の突端に立つ「ポイントレイズ灯台」は、1870年から100年以上にわたり、霧深いこの海域の安全を守ってきました。駐車場から灯台までは少し歩き、さらに308段の長い階段を下りていく必要がありますが、その先にはどこまでも広がる太平洋の絶景が待っています。 風が非常に強い場所なので、訪れる際は上着を忘れずに持っていきましょう。運が良ければ、冬から春にかけては回遊するクジラの姿を見ることができるようです。筆者は見れませんでしたが、後日現地の友達に「ポイントレイズに行ったんだ」と話すと、「おお、ホエールは見れた?」と聞き返されたので有名なクジラポイントみたいですね。
参照:Point Reyes Lighthouse – Google Maps
牧歌的な風景が広がる酪農地帯
公園内には広大な牧草地が広がっており、牛たちがのんびりと草を食む、のどかな風景を見ることができます。これは、この地域が歴史的に酪農地帯として栄えてきた名残であり、豊かな自然と人々の暮らしが共存してきたユニークな景観です。車内からの撮影悪しからず。

運が良ければ出会える?野生動物たち
ポイントレイズは野生動物の宝庫でもあります。筆者は出会うことはできませんでしたが海岸線では、ゾウアザラシやアシカがのんびりと日光浴をしている姿を見かけることがあります。もし出会えた場合は8m(25feet)以内には近づかないように注意喚起もされていました。また、内陸部ではチュールエルク(アメリカアカシカの一種)の群れや、コヨーテ、シカなど、様々な動物たちが生息しています。訪れる際は、ぜひ双眼鏡を持って行ってみてください。


まとめ:心に残る風景を求めて、ポイントレイズ国定海岸へ
ポイントレイズ国定公園は、有名な国立公園のような派手さはないかもしれませんが、そこには心に深く刻まれる静かで美しい風景が広がっています。神秘的なサイプレスの木のトンネル、歴史を物語る難破船、そしてどこまでも続く海岸線と牧草地。
サンフランシスコから少し足を延ばして、日常を忘れさせてくれる特別な旅に出かけてみませんか?きっとあなただけのお気に入りの風景が見つかるはずです。


